地球温暖化防止への取り組みとして、京都議定書の目標達成に向けたCO2 削減への取り組みに加え、中・長期的な観点に立って、低炭素社会の実現を目指し、低燃費技術や次世代自動車 の開発等、CO2排出量削減に向けた取り組みが求められている。
CO2削減の方策は、車両の軽量化以外に、パワートレインの変更( ハイブリッド化、電気、 燃料電池、水素利用等)、エンジン効率の改善、摩擦低減、空力性能の向上など様々な方策がある。
一方で商品性を高めるために安全性、快適性、利便性等の機能が付加されたため、年々車両 重量は増加しており、車体を軽量化しないと運動特性が劣化し、本来の商品性を損なう事となる。
これらの側面においても、軽量化及びリサイクル性に有利なアルミ材料は、近年クローズアップされており、その活用が益々期待されている。
ここまで日本は自動車の2010年規制の燃費を既にほぼクリアーしているが、2015年を目標に欧州の2012年度自主規制値並み(CO2 120g/km以下)の厳しい規制を新たに決定し、それらの 達成に向けて自動車メーカーが検討を進めている。
環境問題と自動車の対応策 | ||
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主要な環境問題 | 自動車の対応策 | |
地球温暖化の懸念 | ・CO2温室効果ガスによる地球温暖化 | ・燃料消費効率の向上 ・CO2排出の少ない代替エネルギーへの転換 |
大気汚染および酸性雨 |
・NOx等による健康被害への懸念 ・SOx , NOx等を含む酸性の強い 降雨に よる森林・湖沼への被害 |
・自動車排出ガス清浄化・クリーンな代替エネルギーへの転換 |
オゾン層の破壊 | ・一部のフロンガスによるオゾン層の破壊に伴う有害紫外線の増加 | ・特定フロンガスの廃止、回収、再利用 |
廃棄物処理 | ・廃棄物の増大 (処理能力不足) | ・資源再利用(材料、エネルギー) (廃棄物の減量化) |
(単位 : 台) | ||||||||||
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年 度 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 |
電気自動車 | 4,700 | 5,600 | 7,700 | 8,500 | 9,900 | 9,400 | 9,400 | 8,900 | 8,473 | 16,882 |
ハイブリッド自動車 | 74,600 | 91,200 | 132,500 | 196,800 | 256,600 | 346,900 | 441,300 | 536,500 | 983,831 | 1,418,400 |
天然ガス自動車 | 12,012 | 16,561 | 20,638 | 24,263 | 27,605 | 31,462 | 34,203 | 37,117 | 38,861 | 40,429 |
メタノール自動車 | 135 | 114 | 58 | 33 | 26 | 20 | 20 | 17 | 13 | 12 |
ディーゼル代替 LPG自動車 |
14,962 | 17,054 | 19,483 | 20,670 | 21,868 | 23,007 | 22,917 | 22,508 | 21,812 | 20,764 |
合 計 | 106,409 | 130,529 | 180,379 | 250,266 | 315,999 | 410,789 | 507,840 | 605,142 | 1,052,990 | 1,496,487 |
次世代自動車戦略2010 乗用車車種別普及目標(政府目標) | |||
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2020年 | 2030年 | ||
従来車 | 50~80% | 30~50% | |
次世代自動車 | 次世代自動車 | 20~50% | 50~70% |
ハイブリッド自動車 | 20~30% | 30~40% | |
電気自動車 プラグイン・ハイブリッド自動車 |
15~20% | 20~30% | |
燃料電池自動車 | ~1% | ~3% | |
クリーンディーゼル自動車 | ~5% | 5~10% |